2005/11/30 update ↓



今宵召しませ 曇りがちな空に届く光を
隙間から覗く晴れ下の月の素顔

悲しみ方さえも迷いがちになあった私を
船は迎えに来るでしょうか その縄を留めるでしょうか

涙の流し方さえも忘れたわたしを
今は何が見ているのでしょうか
ひとりだとわかることも 誰かがいることも
何もわからないことをわからない私を

あなたは笑うのでしょうか それとも哀れむのでしょうか
哀れなものだと笑うのでしょうか

曇りがちな空 そらのしたの
なでては折れる草の葉には椿
普段より淡い緑にかこまれた赤は
肌に落ちる血にも見えはしませんか

私は哀れんだのでしょうか それとも憧れたのでしょうか
薔薇にも似た紅の椿

ああ 月が蒼過ぎる
今夜もまた月が蒼過ぎる

今宵召しませ この月を





心がどうとか優しい人がいいとか
だよねーとか言ってんじゃねえよ
君達の大好きなあのシンガーソングライターは
顔を出さない不思議な人
歌声はとても心に響くけど
もし彼が言い寄ってきたとしたら?
キモ〜ぃっていうだろうね 間違いねぇな
そんな顔が現実さ
金か顔かアレじゃね?結局のところはよ?
ごめんね俺の友達よ でも俺もキモいと思うわ


人間ってそんなもんだろ?
人間ってそんなもんだよ?


同窓会と面倒渋々嫌々ながら参加した
酒は誰もが無駄に進んだ
あのころは見飽きたと思っていた
それは数年が俺らを帰るに十分な時間だったことと
今はそれぞれの道があって
同じじゃないってことなんだろうけど
あの頃不細工で根暗に見えた女は
とびっきりのいい女になっていて
昔俺のことが好きだっだと言ったので
とりあえず一発ヤって帰った


人間ってそんなもんだろ?
人間ってそんなもんだな?


金がないとぼやいていたので
働けよと俺は至極真っ当な答えを返してやった
ところが彼女はだるいことはお好みではなかったので
パンツかしょんべんでも売れば?と言ってやった
彼女はあからさまに嫌な顔をして信じられなさそうにしてた
翌日彼女は新しいブーツを履いてやってきた
それから彼女に
ヤれば一週間であのバッグが買えるなとアドバイスしてあげた
それから俺は雨でシケた煙草をふかしながら
スロットを2千円分だけやる
何人もの手垢がついたくすんだ銀色のメダルを必死に転がしてる
今頃彼女は嬉しそうに中でも外でも腰を転がしてるのさ


人間ってそんなもんだろ?
人間ってそんなもんだぜ?


誰かが言ったのさ
人間に近い動物は豚だって
なにやら角膜移植だか 色々できるらしいんだ
ふーんと軽く感心する僕は
べたべたの油とソースでぐちょぐちょの焼いたハムをほおばる
勿論おごりだよねという君に
豚のアレでもしゃぶってろと言った
幸せそうにまるまると太るまで飯をくって寝ていたら
うまい肉になるために生かされてると首を落とされる直前に知るのさ
ああやっぱり似てるんじゃね?


人間ってそんなもんだろ?
人間ってそんなもんだぜ?





「仕方ないさ・・・ 見返りのない戦いほど、難しい

人間っていうのは自然と見返りを求めて生きている
その行動に意味が欲しいからかもしれない

何も報われない、空虚な戦い
それほど体を動かすのが辛いものはないさ
自分で思うように動かなくなっていく、どんどんと、体が
魂と体を結ぶ糸が、一歩歩くたびにぶちぶちと切れていく そんな感じだ
そのうち、自分の体を自分で支えられなくなる・・・」





味のない、喉に痛みを走らせるだけの酒。
度数が高く、蒸留によって作られているため。

封を開けて少し経ってしまったためか、或いは自分が慣れたためか。
喉を焼く感覚は前より少しだけ緩い。
くふぅ、と鼻で息を吐き出す。
ぴりぴりとする喉の火傷を楽しむ。


味のない、喉に痛みを走らせるだけの酒。
痛みを感じ、痛みを忘れさせるためだけの酒。

数日前に覚えたその感覚を、とてもいいなと心の中で言葉にしていた。





残酷な歌を歌えば
それが私だと思って?
小鳥のさえずりが如く紡げば
あなたは私を見初めるのかしら?

不安な月の光を
あなたは目に入れるけれど
私の視線はどこに逸らしているの
ああ また今夜も

月が不安げに
ただ貴方だけを見つめているのね
私の踊りは
軽くステップだけにとどまるのよ

不安な月が私と
貴方の頭上に輝いて
この足音だけが
ここに響いているの





架空を組み立てる様の
なんと不思議な旋律
ありえないものがありえるようになる
それが私達の住処

なにも起こさなければ何もできない
なにかしら起こして何かをつくる
不恰好な立ち様でもいいの
それを積み重ねて生きることをわかってるから

あなた世界に興味はないの?
世界をつくることそして世界に動かされること
それこそが私達の理想
自分のつくった世界に走らされる快感がわかる?

あの三日月でさえ私のもの
でも反射する光は私がつくったんじゃなくて
世界自身が光り輝いて生んだもの
私を照らす金色をグラスに移して飲み干すの

時計を作る事はできても
そこから動き出す時間は作り主のものじゃない そういう感じ
でもその進みだす時間を感じてとても嬉しくなるのは
そのある種の快楽こそは似たもの同士じゃない?

さあ歩き出そうよ
私もここで世界をまた作り出す
立ち止まってることは簡単だけど 不満なのが私にも伝わってるから
さあ足を進めて 貴方の世界を見せて