「こんなところで何をしている?」 「ご覧の通り、哀れな俗世の方々に神のご加護を。」 久しいがよく知った顔に、プリーストの教科書の如き作り微笑いで答える。 今しているそのあきれ顔も、よく知っている。 「神の御力は金儲けなどにつかうものではないだろ・・・」 そう言い、軽いため息を吐く。 「世の中は世知辛いですから、司教様」 俺のほうを見ると、肩を落とす。 立ち直ろうともたげた頭をなんとか持ち上げようとするが、途中で俺の赤く腫れた頬が視界に入る。 「あぁ」 俺は別のところを見ていたのかと思ったので、相手にとって見当外れなことを言う。 「舌は入れてないぞ、流石に」 はっは、更に肩落としてる。 ため息をひとつ吐いて、何かに納得したように一言。 「・・・そうだな、世知辛いな」