「本当は ずっと黙ってるつもりだったんだけど・・・ 言っちゃったね」
どういう顔をしていいのか ちょっと分からなかった
がんばって 微笑んでみる
でも 多分 ぎこちない微笑み
「・・・怒ってる?」
「別に」
「怒ってるよ」
「・・・ちょっと な」
正直 突然すぎて どうすればいいのか分からない
放たれた事実に対して 直視出来ないでいた
自分がどう感じているのか 他人事のような感じにもなった
抱いた感情は 憤りなのか 失意なのか 困惑なのか 寂しさなのか
分からなかった
「気付いてた? おいかけっこ 思い出の場所をずっと巡ってたんだよ」
「・・・途中からなんとなく な」
ケイ君は 視線をどこか遠くに走らせながら ぽつっと言った
「いろんな事があったよね」
「あぁ ・・・そだな」
色々 あったよね
私にとっては 懐かしいというには あまりに鮮やかに描かれる思い出
俺は どうすればいいのだろう
何をすれば 何を話せばいいのだろう
そして 俺はどうしたいのだろう
何を望むのだろう
・・・ずっと前から とっくに答えは出ていた
そうだろう?
そして 由菜さんの言葉が本当ならば 迷いないて抱いてるどころじゃない
これが最後の機会なんだ 想いを 伝える
「・・・から」
え?
突然 足元から白光が立ち昇る
とっさに眼をつぶってしまった
いつものように ポタに乗ったときの独特の浮揚感が体を包む
・・・あれ?
なんだか その浮揚感は短いような
おそるおそる 眼を開く
さっきと変わらない白が 視界を覆う
ここは・・・ ルティエだよね ポタ 失敗したのかな?
と 振り返るとケイ君が現れる
ここは ルティエの小さな教会
「おあいこだからな」
「え・・・??」
「散々振り回された分」
そう 散々振り回された
ずっと ずっと
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