それはありがちなことなのかもしれない。
どこにでもある、人間同士のいざこざなのかもしれない。
他愛も無い人生の一片に過ぎないようなことなのかもしれない。

それは些細なことから始まったのかもしれない。
僅かな誤解から始まったのかもしれない。

それは過去の積み重ねから起こったのかもしれない。
少しずつ蓄積されていった歪みが、目覚めただけなのかもしれない。


泣きたいか怒りたいかも分からない。
自分が何を望んでいるかもわからない。
虚言ばかりを重ねて作り上げる日々を繰り返す。

ただ、喪失感のようなものだけがあった。
『ようなもの』としか感じられなかった。

欠け落ちてしまっている。
沢山のものが。
でも、何がどう欠け落ちているかは、わからない。

わからない、温かいも冷たいも。
私の世界に、温度を感じる必要はないから。
語りかけるものは、もう居ない。
私の世界に、音は消え失せたようだから。
ずっと同じ場所から動けないでいる。
私の世界に、時間という名前の流れは存在しないから。
空も緑もなにもかもに違いは無い。
私の世界は、色を失っているから。


虚ろに浮ぶ幾つもの詩。
辿り着いた、私達の始まりの街。

いや・・・、違うね。
私『達』じゃないんだ、もう。

「うん・・・、ごめんね」
誰に向けるでもなく、そう言ってみる。
そう、言いたかったから。

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