手の甲にひやりとしたものが。
雪が降ってきた。
気付けばもう、太陽は隠れてしまっている。
少しずつ、ゆるやかに降ってくる。
私の手に触れては消えていく雪、水に変わるさまを眺めていた。


「わたし、」

だめ、声が、出ない。
思い出、が 口を、ふさぐ・・・

「いっしょうけんめ・・・ わらって 笑ってまた逢えるようにって
頑張って がんばってたのに」

抑えていたものが、ひび割れた隙間からこぼれだす。

「神様って 酷いですよね・・・」

彼の信じるべき対象の否定。
思わず出てしまった言葉。
彼はそれに嫌悪するわけでもないようで、ただ、遠くを見て淋しそうな眼をしていた。

「報われないことなんていくらでもある
分かり合えないことも、いくらでも・・・」
その言葉に妙な重みを感じて、心が潰れそうになった。


私はいったい、何をしてきたのだろう


悲しさ虚しさ辛さ弱さ
全て覆い隠して

カラ元気も、元気のうち
そう信じて


「泣き方って、分かります?」


そして、涙さえ、失って。

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