口を開こうとして、声は出ず。 小声で、絞り出すように彼は答えた。 「・・・。神なんて居ないよ」 「・・・そうですか」 司祭でありながら、言い放つ彼。 視線は遠くを臨んでいた、揺れていた。 「やっぱり、居ないんだ」 「よかった 神様が居ないのなら、天国も地獄も、生まれ変わることもないだろうから」 「・・・」 沈黙。 少しの間、静寂。 雪の降り積もる音が聞こえる気がした。