通路の幅は、細いといっても、両手をいっぱいに広げても十分に余裕はあるくらいの広さで、
ゆるやかな上り坂になっているみたいだった。
初めは慎重に ゆっくりと進んでいたのだけれども、
敵の気配も全くしないし 何かのトラップが仕掛けられているようでもない。
この通路はいったいどこに繋がっているのだろう?
通路は右手へとゆるやかなカーブを描き、らせん状になっているみたいだ。
このまま上っていけば4階に着くのだろうか?
通常、4階には『時計塔の鍵』が無ければ行くことができない。
隠し通路で行けるとしても、サーバが悲鳴をあげるほどの、たくさんの人数がひしめくこのゲームだ。
誰かが広めでもしたら大変だ。
黙々と歩いていくと、壁面が直角になっている部分が視界に現れた。
どうやら通路の終わりらしい。
少し警戒を強めて進んでいくと、ほぼ通路いっぱいほどの大きなドアがあった。
鉄や鋼のようだが、それとはまた違う感じの鈍い光沢を持つ金属で出来ている。
金属の持つ堅牢さの他に、妖しいような不思議な感じがする・・・。
おそるおそる、手のひらを広げてドアに触れてみる。
・・・魔法でなにか処理しているようだった。
どういうものをかけているかまではわからないし、それが害のあるものかも分からない。
とにかく開いてみないと。
体の周囲に、魔力で形成した青い光をまとう。そして杖を構え、いつでも詠唱が出来る状態にしておく。
「さて・・・、鬼が出るかな蛇が出るかな・・・」
取っ手に手をかけた瞬間、向こうから何かが破裂したような音と、ガラスが割れるような音がした。
即座に後ずさり、杖を正面に突き出して詠唱を始める。
が、何かが飛び出してくる様子も無い。ほんの少しの空白の時間、様子を見る。
と、ドアの接合部や隙間から、灰色と赤褐色の煙が、もうもうと這い出してくる。
うっ・・・、変な臭い。
この煙に毒でもあったらまずい。それに可燃性や魔力反応性でもあれば、不用意に魔法を使えない。
急いで引き返そうとしたとき、咳き込むような声がドアの向こうから聞こえた。
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