「よーし、お疲れー」
手を打ち合って互いを労い、勝利を祝う。
アイテムは残念ながらレアと呼べるものは出なかったが、虎の足裏が手に入った。
暫くの生活費には事欠かないくらいの金額にはなる。
奴は久々に酒が飲めると喜んでいた。

と、誰か倒れている。
近づいてみると、風貌から剣士だと分かる。
倒れているのは恐らく、エドガに遭遇したかトンボにでもやられたんだろう。
凶暴なんだ、あのトンボ。ドラゴンフライなんて名前だけはある。
しかしこの剣士、近くで狩りをしてて迷い込んだんだろうか。
ここで戦うには危険なような。

「おーい、大丈夫か?」
反応が無い。
完全に気を失っている。
まぁ、自分から戻らなくても、しばらくすれば担当のカプラ職員が救助するだろう。

傷ついて力尽きた冒険者は、登録した町にカプラ職員が呼び戻すようになっている。
どういう仕組みかはよく知らんが、ワープポータルの逆化か応用みたいなもんだろうか、
そういうもので戻ったり回収してるんだろうと思う。

それを承知しているのか、単に眼中に入ってないのか、周りの人間は黙々と狩りを続けていた。
時々そこに誰も居ないかのように通り、踏みそうになる奴まで居やがるから大笑いだ。

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