「憎まれても失望されても見放されても、頼っちゃ、いけない」 「それだけの意思が、強さがあるなら─」 遮る、私。 「そういう考えにしか、縋れないんですよ」 そう、少し笑って返す。 雪は、降頻る。 小さな袋。 今の私には、この大きさで十分だった。 その袋から取り出したものを渡す。 それは一枚の写真。 「捨てられないんですよね」 そう言って、写真を彼に渡す。 私の手元に残った、最後の品。 残した、というべきか。 彼が何を思ったかはわからない。 ただ、薄く、本当に薄く表情が変わったことだけ、わかった。 複数の感情が入り混じったせいで、どの表情にもなりきれなかった感じ。 口元だけが微笑みになりきらなかった微笑。 その表情をあわせて、写真を私に返す。